詳しくはこちら

表題都立航空高専木曽駒ケ岳遭難裁判の記録:忘れられない悲劇の真実



1970年8月12日、東京都立航空高専の登山部員10人と教諭1名が、長野県の木曽駒ケ岳で遭難するという痛ましい事故が発生しました。この悲劇は、当時の日本に大きな衝撃を与え、登山安全に対する意識の変革のきっかけとなりました。

そして今、半世紀の時を経て、この事件の全容を記録した『表題都立航空高専木曽駒ケ岳遭難裁判の記録』が、れんが書房新社から出版されました。

本書は、この遭難事故に関する全国初の裁判記録であり、事件の真実を明らかにしようという生存者の思いが込められています。

裁判記録を基にしたリアルな描写

本書は、東京地裁で行われた裁判の記録を基にしており、綿密な取材と検証によって、事件の経緯がリアルかつ詳細に描かれています。

遭難当日の天候や登山計画、事故現場での生存者の証言、救助活動の過程まで、裁判の中で明らかにされた数々の事実が克明に記されており、読者は当時の人々の苦悩や決断をありありと追体験することができます。

生き残った者たちの証言

この裁判では、唯一生き残った生徒である北原幸夫氏が、事故の全容を証言しました。北原氏は、遭難の瞬間から救助されるまでの壮絶な体験を赤裸々に語っており、その迫真の証言は、読者の心を揺さぶることでしょう。

また、事故後、遺族や学校関係者による提訴により、裁判では当時の登山教育や安全対策のあり方についても厳しく問われました。

登山安全の教訓と再発防止の提言

本書では、この遭難事故から得られた数多くの教訓が、詳細に分析されています。天候判断の重要性、適切な装備の必要性、グループ登山におけるリーダーシップのあり方など、登山における基本的な原則が再確認できます。

さらに、裁判を通じて、登山教育の充実や安全基準の強化などの再発防止策も提言されています。本書は、登山愛好家だけでなく、教育関係者や防災関係者にも必読の書です。

当時の社会を揺るがした大事件

木曽駒ケ岳遭難事故は、当時、国民に大きな衝撃を与えました。新聞やテレビで連日報道され、人々の登山に対する意識に大きな変化をもたらしました。

本書では、この事故が社会に与えた影響についても詳しく触れられています。遭難事故報道のあり方や、国民の登山ブームの変遷など、当時の社会情勢を捉える貴重な資料となっています。

半世紀の歳月を経て明らかになる真実

この遭難事故から半世紀が経った今、本書は、事件の真実を明らかにし、悲劇を風化させないために編纂されました。

かつてこの事故に関わった方々、そして登山を愛するすべての方々に本書を読んでいただきたいと思います。この悲劇から得られた教訓が、今後の登山安全と命の尊さの再認識につながることを願ってやみません。

『表題都立航空高専木曽駒ケ岳遭難裁判の記録』
れんが書房新社
定価:2,750円(税込)
少年―小学生連続殺傷事件・神戸からの報告
殺人少年: 何が彼らを凶行に駆りたてたか
少年に奪われた人生: 犯罪被害者遺族の闘い
人を殺してみたかった: 愛知県豊川市主婦殺人事件
小さな殺人者たち: 彼らはどこから来て、どこへ行くのか
少年の街
少年漂流記
少年たちの迷宮: 裁かれた十歳の殺人者たち
「酒鬼薔薇聖斗」への手紙: 生きていく人として
よくわかる少年法 罪を犯したらどうなるの? (楽しい調べ学習シリーズ)
少年Aの犯罪プラスα
暴走族伝説: 70~80年代を駆け抜けた青春群像 (ワニの本 959)
少年院 下
少年院 上
なぜ少年は警官を殺したのか
日本近代史12の謎を解く 伝承と美談の狭間で
秘録東京裁判 (中公文庫 B 1-34 BIBLIO20世紀)
アメリカの戦争責任 戦後最大のタブーに挑む (PHP新書)
軍務局長 武藤章 (祥伝社新書 694)
責任ラバウルの将軍今村均 (新潮文庫 つ 9-3) 無料体験キャンペーン中(オーディオブック)
本の情報館
本の情報館社会政治