
殺しのマエストロ、黒澤明とセルジオ・レオーネを食いつくす! 『ジャンゴスキヤキ&マカロニ・ウエスタン読本』
「洋泉社MOOK 別冊映画秘宝」より刊行された『ジャンゴスキヤキ&マカロニ・ウエスタン読本』は、日本とイタリアが誇る伝説的な西部劇の真髄を、あらゆる角度から余すところなく解き明かした夢のような一冊だ。
ジャンゴスキヤキの衝撃
1966年、日本映画界に激震が走った。黒澤明監督の『用心棒』を大胆にリメイクした『ジャンゴ』は、三船敏郎に代わってフランコ・ネロが主演、舞台を19世紀半ばのメキシコ革命下に置き換え、日本人ガンマンの代わりに日本刀を操るイタリア人ガンマンが、荒涼たる砂漠を駆け巡る。
本書では、この画期的な作品を徹底検証。企画の経緯から撮影秘話、関係者の証言まで、その誕生にまつわるあらゆるエピソードが明かされている。また、ジャンゴを演じたフランコ・ネロや、音楽を担当したルイス・エンリケス・バカロフへの貴重インタビューも掲載されており、まさに『ジャンゴ』ファン垂涎の一冊だ。
鬼才セルジオ・レオーネの系譜
一方、マカロニ・ウエスタンといえば、セルジオ・レオーネ監督の名が抜きん出る。本書では、レオーネの初期傑作『荒野の用心棒』から、クリント・イーストウッドをスターダムに押し上げた『続・夕陽のガンマン』、『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』までの代表作を、ビジュアルたっぷりに徹底解説。
特に、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』については、その壮大なスケールと叙情的なストーリーを考察する巻頭特集が組まれており、レオーネの世界観を隅々まで堪能できる。
日本とイタリアが結んだ夢の化学反応
『ジャンゴスキヤキ』とマカロニ・ウエスタンは、一見するとかけ離れた二つのジャンルのように思えるかもしれない。しかし、本書では、この両者が意外にも密接に関連していることを明らかにしている。
黒澤明がマカロニ・ウエスタンに影響を与えたことはよく知られているが、その逆もまた然り。マカロニ・ウエスタンが日本の西部劇に与えた影響は計り知れない。本書では、こうした相互影響の具体的な事例を数多く紹介しており、日本とイタリアが結んだ夢の化学反応を浮き彫りにしている。
魅力的な執筆陣による読み応え抜群のコラム
本書の執筆陣は、映画評論家、ライター、漫画家など、ジャンゴスキヤキとマカロニ・ウエスタンを愛する有志から構成されている。それぞれが独自の視点で作品を考察するコラムが多数掲載されており、読み応えは抜群だ。
例えば、西部劇研究家の米原昌平氏の「『マカロニ・ウエスタン』考」では、このジャンルの源流や特徴が解説されており、ジャンゴスキヤキとの共通点も指摘されている。また、漫画家の伊藤剛氏の「漫画で読むマカロニ・ウエスタン」では、あの名作西部劇の数々がユーモアたっぷりに漫画化されており、新たな視点で作品を楽しむことができる。
豪華付録で楽しみ倍増!
本書には、豪華付録として、フランコ・ネロ直筆サイン入りポスターが付属している。ネロと言えば、『ジャンゴ』だけでなく『荒野の用心棒』や『続・夕陽のガンマン』などの名作でも活躍した、マカロニ・ウエスタンのスターだ。このポスターは、同氏の本書への特別寄稿を記念して特別に制作されたもので、まさにコレクターズアイテムと言えるだろう。
さらに、巻末には、全100タイトルのマカロニ・ウエスタン作品ガイドが掲載されている。各作品のあらすじ、キャスト、監督、製作年、トリビアなどが網羅されており、マカロニ・ウエスタン入門者からマニアまで、絶対に役立つ資料となっている。
ジャンゴスキヤキとマカロニ・ウエスタン愛好者に贈る、必携の一冊
『ジャンゴスキヤキ&マカロニ・ウエスタン読本』は、ジャンゴスキヤキとマカロニ・ウエスタンの愛好者にとって、まさに必携の一冊である。両ジャンルの歴史、傑作、影響関係など、あらゆる側面を網羅した内容は、まさにジャンゴとマカロニの世界の百科事典だ。
豪華付録や魅力的な執筆陣のコラムなど、読み応えも抜群。この一冊があれば、ジャンゴスキヤキとマカロニ・ウエスタンの世界を心ゆくまで堪能できること間違いなしだ。
映画ファンなら、もちろんのこと、サブカルチャー、イタリア文化、西部劇に興味のある方にも強くおすすめしたい。この機会に本書を手に取り、ジャンゴスキヤキとマカロニ・ウエスタンの魅力に浸ってみよう。
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