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道長ものがたり 「我が世の望月」とは何だったのか (朝日選書1039)

「我が世の望月」とは何だったのか:表題道長ものがたりの謎に迫る

王朝文学の最高峰「源氏物語」と並び称される「表題道長ものがたり」は、平安後期に書かれた長編物語です。その華麗さと奥深さで、後世の文学者に多大な影響を与えました。

しかしながら、この作品には謎が秘められています。それは、表題にある「我が世の望月」という言葉の意味です。この謎を解き明かすことにより、作品の真意に迫ることができます。

朝日選書1039『我が世の望月』とは何だったのか

この本は、表題道長ものがたりの研究書として知られる名著です。著者は、平安文学の第一人者である磯貝英夫氏。緻密な考証と鋭い洞察により、「我が世の望月」の謎を解き明かそうとしています。

本書は、以下の構成になっています。

・序章:研究の現状と課題
・第一章:表題道長ものがたりの成立と作者
・第二章:物語の構造と展開
・第三章:「我が世の望月」考
・第四章:表題道長ものがたりの意義
・終章:歴史と文学の交錯

「我が世の望月」の謎を解く

本書の白眉は、第三章「我が世の望月」考です。磯貝氏は、複数の視点からこの謎に迫ります。

まず、物語に登場する「望月」という人物に注目します。この人物は、物語の後半で重要な存在になりますが、その正体については謎に包まれています。

次に、物語の中で「望月」が詠む和歌に注目します。これらの和歌には、平安時代中期に編纂された勅撰和歌集「後拾遺和歌集」に収録されている和歌との類似性が指摘されています。

さらに、物語の成立時期や背景を考察します。この物語は、平安後期に権勢を握った藤原顕隆によって書かれたと推測されています。顕隆は、物語の主人公である藤原道長の孫にあたります。

これらの考察から、磯貝氏は「我が世の望月」とは、藤原道長の孫である顕隆その人であると結論づけます。顕隆は、祖父道長の栄華を継ぎ、朝廷で権勢を振るいました。しかし、その生涯は波瀾万丈で、晩年は権力を奪われて失意のうちに没しました。

作品の本質に迫る

「我が世の望月」が顕隆自身を指すことがわかると、物語の本質が見えてきます。これは単なる道長の伝記ではなく、顕隆が祖父の栄華と自分の没落を振り返り、人生の無常さを嘆いた作品だったのです。

磯貝氏は、表題道長ものがたりを「平安時代における『ハムレット』」と評しています。それは、権力と人間の業をテーマにした、普遍的な人間ドラマだったのです。

購買意欲を掻き立てる要因

この本は、平安文学愛好家はもちろん、歴史や文学全般に興味がある方にもおすすめの1冊です。以下に、購買意欲を掻き立てる要因を挙げます。

・名著の謎に迫る醍醐味
・平安時代へタイムスリップできる臨場感
・平安文学の奥深さを探究できる知的興奮
・専門家の緻密な考証による信頼性
・わかりやすい文章で読みやすい

表題道長ものがたりの謎に迫り、平安時代の栄華と人間の業を深く理解したい方は、ぜひこの本を手にとってみてください。あなたを文学の旅へと導き、新たな発見と感動をもたらしてくれることでしょう。
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