松本清張全集 13:「黒い福音」: 闇に潜む悪意と翻弄される人間の真実を暴く衝撃作

松本清張の傑作長編ミステリー「黒い福音」が、松本清張全集シリーズの第13巻として待望の復刻。発売から半世紀以上を経てもなお、その緻密な構成と衝撃的な展開で読者を魅了し続けるこの名作が、装いも新たに現代に蘇る。

闇に潜む悪意が渦巻く、壮大なサスペンス

舞台は、信者の善意を募る「白い十字基金」を資金源とする聖母の慈悲病院。表向きは善行を施す病院だが、その組織内部には金と権力に溺れる権力者たちが跋扈していた。

主人公の矢田部恭介は、この病院に勤務する若き医師。彼は、病院の不正行為に疑問を抱き、真相を暴こうと奔走する。だが、病院の闇は想像以上に深く、矢田部は次々と襲い掛かる罠にはまり、孤立していく。

次々と姿を消す関係者、不可解な不審死、そして矢田部自身への脅迫。病院の深層部に潜む悪意が、矢田部の命と心に迫りくる。

人間性の闇と光のせめぎ合い

「黒い福音」は単なるミステリー小説ではない。人間の善意と悪意が入り混じる、人間性の闇と光のせめぎ合いを鋭く描いたヒューマンドラマでもある。

聖母の慈悲病院で繰り広げられる善悪の葛藤は、人間の普遍的なテーマを映し出す。善意の仮面を被った悪、権力に翻弄される無力な個人、そして絶望の中でも抗おうとする不屈の精神。

松本清張は、人間の弱さと強さを鮮やかに描き分け、読者の心を揺さぶる。

緻密な構成と衝撃的な展開が織りなす、息もつかせぬサスペンス

「黒い福音」の魅力は、その緻密な構成と衝撃的な展開にある。序盤から張り巡らされる伏線が徐々に明らかになり、終盤で一気に回収される爽快感。

次々と明らかになる病院の闇、主人公を取り巻く状況の急転、そして誰もが衝撃を受けるラストシーン。松本清張の卓越したストーリーテリングが、読者をページをめくる手に汗握る世界へと誘う。

現代にも通じる、不条理と希望の物語

「黒い福音」が執筆された1961年は、日本社会が高度経済成長の只中にあった時代。しかし、病院という閉ざされた空間の中で描かれるのは、現代社会にも通じる不条理と希望の物語である。

権力者の横暴、組織の腐敗、個人の無力感。これらの問題は、現代社会でも日々私たちを取り巻いている。

そんな中でも、矢田部恭介は諦めずに真実を追い続ける。彼の不屈の精神は、私たちに希望と勇気を与えてくれる。

松本清張文学の真骨頂、必読の傑作

「黒い福音」は、松本清張の代表作であり、松本清張文学の真骨頂と呼ぶにふさわしい傑作である。その緻密な構成、衝撃的な展開、そして人間性の奥深さを描き出す筆力は、現代でもなお色褪せることがない。

ミステリーファンはもちろん、人間ドラマを好む読者にも強くおすすめしたい一冊。松本清張の世界にどっぷり浸り、人間の善と悪の境界線を揺さぶられる、衝撃と感動の読書体験を堪能しよう。
日航ジャンボ機墜落: 朝日新聞の24時 (朝日文庫あ 4-36)
真の原因は究明されたか（増補改訂版）: JAL123便の御巣鷹尾根墜落事故
那須雪崩事故の真相銀嶺の破断
ヤマケイ新書 IT時代の山岳遭難
原発事故自治体からの証言 (ちくま新書)
よど号事件122時間の真実
“人生の災害”に負けない　マインドレスキュー
JAL123便空白の14時間: 御巣鷹山ファイル3
アンデスの奇蹟
「よど号」事件三十年目の真実: 対策本部事務局長の回想
撃墜中: 大韓航空機事件 (講談社文庫や 2-16)
撃墜下: 大韓航空機事件
明石歩道橋事故再発防止を願って隠された真相諦めなかった遺族たちと弁護団の闘いの記録
エアバスA320は、なぜ墜ちたか: パイロットのせいか、飛行機のせいか
目標は撃墜された: 大韓航空機事件の真実
証言雪崩遭難
墜落の背景上: 日航機はなぜ落ちたか
福島が沈黙した日原発事故と甲状腺被ばく (集英社新書)
北朝鮮女秘密工作員の告白: 大韓航空機爆破事件の隠された真実 (徳間文庫ち 4-1)
墜落事故のあと

無料体験キャンペーン中(オーディオブック)
本の情報館
本の情報館社会政治