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介護の闇に迫る衝撃の実録ルポ『介護の裏』



年老いた両親の介護を経験する人は、今後ますます増えていくであろう。しかし、介護の現実を知らないままでは、その過酷さに耐え切れないかもしれない。介護現場で起きている数々の闇を暴いた衝撃の実録ルポ『介護の裏』(文春新書)が、大きな話題となっている。

過酷すぎる介護現場の現実

本書の著者であるフリーライターの森健氏は、介護施設や病院、在宅介護の現場を取材し、そこで働く介護士や関係者の生の声を集めた。そこには、過労による倒壊寸前の介護士、認知症患者への虐待、そして尊厳が奪われた高齢者の姿があった。

介護士たちの長時間労働と低賃金は深刻な問題だ。激務により心身をすり減らした介護士は、患者への適切なケアが十分にできなくなる。また、人手不足を理由に1人で複数の患者を対応する過酷な環境もあり、ケアの質が低下している。

さらに、認知症患者の虐待も大きな問題だ。施設では、徘徊や大声で叫ぶ患者に対して、抑制するための拘束や暴力的な対応が日常的に行われていた。また、在宅介護では、家族による虐待が後を絶たず、高齢者は孤立無援の状態に置かれている。

尊厳を奪われる高齢者

介護の現場では、高齢者の尊厳が軽視されているケースも数多くある。入浴や食事介助などの日常的なケアにおいて、プライバシーが守られず、まるで商品のように扱われている。また、認知症患者に対しては、人格を否定するような言葉や態度がとられることがある。

本書では、このような過酷な介護現場の現実を克明に描き出している。介護を必要とする高齢者が安心して暮らすことができず、介護士が過労と低賃金に苦しんでいる。介護は、社会全体で取り組むべき重要な課題であるにもかかわらず、その実態はほとんど知られていないのが現状だ。

介護の未来を考えるきっかけに

『介護の裏』は、介護の闇に迫った衝撃的な実録ルポであるだけでなく、介護の未来を考えるための重要な一冊だ。介護士の処遇改善、認知症患者の虐待防止、高齢者の尊厳を守るための取り組みなど、介護現場が抱える問題解決に向けた提言が示されている。

本書を通して介護の現実を知ることで、私たちは介護の問題を他人事ではなく自分の問題として捉え、より良い介護社会の実現に向けて行動を起こさなければならない。介護が必要な高齢者を安心して支えるために、私たちは今、何をすべきかを考えるべきだ。

著者プロフィール

森健(もり・けん)
フリーライター。週刊誌、月刊誌、ウェブメディアを中心に、介護、福祉、教育などの社会問題を中心に執筆活動を行う。主な著書に『介護離職のリアル』『ルポ弱者ビジネス』などがある。
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