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ヤマケイ文庫「侮るな東京の山」新編:奥多摩山岳救助隊の日誌が明かす山岳事故の真実



東京都心からアクセス至便な奥多摩の山々が、実は数多くの危険を孕んでいることをご存知だろうか。標高は低くても、急峻な地形と変化に富んだ気象条件が、登山者にとって思わぬ落とし穴となることがある。

ヤマケイ文庫「侮るな東京の山」新編は、奥多摩山岳救助隊による日誌をまとめた書籍だ。ここに収められているのは、実際に起こった山岳事故の記録である。救助隊員が事故現場で目にした凄惨な光景、遭難者の無念さ、そして救助活動の困難さなどが赤裸々に描かれている。

本書の特徴は、単なる事故記録にとどまらず、その裏に潜む人間ドラマを掘り下げている点だ。遭難者はなぜ危険なルートを選択したのか、どのような心境で遭難を迎えたのか。救助隊員たちは、過酷な状況の中でどのように遭難者のもとに到着し、命を救出したのか。

例えば、ある遭難者は、軽い気持ちでハイキング感覚で山に入ったが、悪天候のため下山できなくなり、低体温症で死亡した。別の遭難者は、登山経験が豊富であったにもかかわらず、滑落して大けがを負った。また、救助隊員が遭難者のもとに到着したとき、すでに亡くなっていたケースもあった。

これらの事故は、山の怖さと山の厳しさを教えてくれる。どんなに低い山でも、適切な装備と体力、そして山の知識が不可欠だということを再認識させられる。また、救助隊員の献身的な努力と、彼らの危険と隣り合わせの活動についても学ぶことができる。

本書のもう一つの特徴は、豊富な写真資料が掲載されていることだ。事故発生時の現場写真や、救助活動の様子が克明に捉えられている。これらの写真は、言葉だけでは伝えきれない事故の凄惨さと、救助隊員の奮闘ぶりを如実に示している。

「侮るな東京の山」新編は、単なる事故記録集ではなく、山岳安全の啓発書でもある。遭難事故から教訓を得ることで、自分自身や大切な人を山岳の危険から守ることができるのだ。

本書は、登山愛好家はもちろん、山にあまり馴染みのない人にもお薦めだ。山の持つ魅力と危険性の両方をリアルに伝えることで、読者は山への畏敬の念と安全意識を新たにするだろう。

本書で伝えられている教訓を一部紹介する。

* 甘く見ないこと:どんな山でも危険を秘めていることを認識する。
* 準備を怠らないこと:適切な装備を携行し、体力をつけて登山に臨む。
* 天気予報をしっかり確認すること:悪天候時は登山を避ける。
* 無理をしないこと:自分の体力やスキルを超えた登山はしない。
* 遭難時は冷静さを保つこと:救助を呼んだら慌てず待つ。
* 山に感謝すること:山の恵みに感謝し、自然を敬う。

「侮るな東京の山」新編は、山岳安全の必読書だ。本書を手に取って、山の魅力と危険性を学び、安全で楽しい登山を楽しんでいただきたい。
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