子どもを伸ばすつもりが、実は否定している言葉

親として、子どもを健やかに成長させ、能力を最大限に発揮させたいと願わない親はいません。しかし、親の愛ゆえの言葉が、実は無意識に子どもの成長を阻害しているケースがあります。

「考える子どもに導く7つのステップ」の著者である教育者・森川陽太郎氏は、子どもを伸ばす言葉と否定する言葉の差について、次のように指摘しています。

「一見、子どもを褒めているつもりでも、実は子どもの成長を阻害しているような言葉があります。そうした言葉は、無意識のうちに子どもの自信や好奇心を失わせ、思考力を抑制してしまうのです。」

言葉が子どもの思考に与える影響

では、子どもを否定するような言葉とは、どのようなものなのでしょうか。森川氏は、以下のような言葉を挙げています。

・「あなたは頭がいいね」：この言葉は、子どもの努力ではなく、生まれ持った能力を褒めています。すると子どもは、努力しても無駄だと感じ、チャレンジを避けがちになります。
・「すごいね」：この言葉は、子どもの行動や成果を褒めていますが、それがなぜすごいのかを具体的には述べていません。そのため、子どもは自分の何が評価されているのかわからず、自信がつきません。
・「ダメじゃない」：「ダメ」という言葉が否定的な印象を与え、子どものミスを過度に責めるニュアンスがあります。子どもは失敗を恐れて、挑戦することを躊躇するようになります。
・「〇〇しなさい」：この言葉は、子どもの自主性を奪い、従順性を助長します。子どもは自分の考えを持たなくなり、依存的な性格になります。

褒めるよりも、認める

では、子どもを伸ばす言葉とは、どのようなものなのでしょうか。森川氏は、「認める」ということが重要だと強調しています。

「認める」とは、子どもの行動や成果そのものではなく、そのプロセスや努力を評価することです。例えば、以下のような言葉が挙げられます。

・「たくさん考えて頑張ったね」：この言葉は、子どもの努力を認め、チャレンジ精神を養います。
・「そのアイデアはいいね。どうしてそう思ったの？」：この言葉は、子どもの思考力を引き出し、好奇心を刺激します。
・「〇〇ができてよかったね。次は〇〇に挑戦してみたらどうかな？」：この言葉は、子どもの自信をつけ、向上心を持たせます。

子どもを伸ばす7つのステップ

森川氏の著書「考える子どもに導く7つのステップ」では、子どもを伸ばすための具体的なステップを解説しています。

1. 質問する：子どもに質問を投げかけ、思考力を引き出します。
2. 話を聞く：子どもの意見や考えに耳を傾け、対話を重視します。
3. 失敗を許す：失敗を責めるのではなく、学びの機会として捉えます。
4. 選択肢を与える：子どもに選択肢を与え、自主性を尊重します。
5. 努力を認める：結果だけでなく、努力やプロセスを評価します。
6. 考える時間を与える：子どもが自分の考えをまとめるための時間を与えます。
7. 一緒に考える：親も一緒に考え、子どもの思考をサポートします。

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