
ヤマケイ文庫 愛犬王 平岩米吉:日本を代表する犬奇人の生涯
愛犬への揺るぎない情熱と革新的な精神
「愛犬王」平岩米吉。その名は、犬の世界で伝説として語り継がれている。彼は、日本を代表する犬奇人で、独自の犬種改良法や訓練方法を編み出し、数々の名犬を世に送り出した。ヤマケイ文庫の「愛犬王」は、この類まれなる犬人の波瀾万丈な生涯を描き、動物愛好家や愛犬家に感銘を与える必読の一冊だ。
犬に魅入られた少年時代
平岩米吉は、1869年(明治2年)に東京で生まれた。幼い頃から犬に囲まれ、育った彼は、犬への愛情に溢れていた。15歳の時、米吉は家出して放浪の旅に出る。旅先で出会った犬との関わりの中で、彼の中に犬に対する揺るぎない決意が生まれた。
ドッグショーで頭角を現す
放浪後、米吉は東京に戻り、犬の飼育と訓練に没頭する。1890年(明治23年)、日本で初めて開催されたドッグショーに出場し、その才能を遺憾なく発揮した。独自の訓練法で鍛え上げた愛犬・ウィペットの「シベリウス」が並み居る強豪を抑えて優勝を勝ち取ったのだ。
犬種改良の革命児
ドッグショーでの成功を機に、米吉は犬種改良に傾注するようになる。当時、日本には純血の犬種がほとんどなく、雑種犬が主流だった。米吉は、日本の気候風土に適した犬種を改良することを志し、日本スピッツや甲斐犬などの日本犬の基礎を築いた。
画期的な訓練メソッド
犬種改良と並行して、米吉は訓練方法にも革新をもたらした。従来の厳格な訓練法とは一線を画し、犬の心理を理解した愛情あふれるアプローチを採用した。米吉が編み出した「情感訓練法」は、犬のやる気を引き出し、高い能力を発揮させることを可能にした。
名犬輩出の「平岩犬舎」
米吉の犬種改良と訓練法は、数々の名犬を生み出した。日本犬の「シロ」は、1911年(明治44年)のロンドン・インターナショナル・ドッグショーで金賞を受賞。甲斐犬の「黒龍」は、戦前日本の警察犬界を席巻した伝説的な存在となった。平岩犬舎からは、犬の世界を彩る名犬が次々と輩出されたのだ。
動物愛護の精神
米吉の犬への情熱は、動物愛護の活動にも表れた。動物保護協会の設立に関わり、動物虐待を厳しく非難した。また、軍用犬の育成にも尽力し、戦争で負傷した犬の保護や再訓練に力を注いだ。
犬奇人と呼ばれた生涯
米吉の犬への揺るぎない情熱と革新的な精神は、周囲の人々を驚かせ、彼に「犬奇人」という異名をもたらした。奇抜な言動や行動で世間をざわつかせながらも、米吉は犬への愛と理解に生涯を捧げた。
ヤマケイ文庫 愛犬王
ヤマケイ文庫の「愛犬王」は、平岩米吉の波瀾万丈な生涯を丹念に描き、犬の世界に革命を起こした犬奇人の真実に迫る。犬に対する深い愛情、革新的な犬種改良と訓練法、そして動物愛護の精神など、米吉が遺した功績を余すところなく紹介している。
この本は、単なる伝記を超えた、愛犬家必読の一冊だ。米吉の情熱と信念に共感し、犬と人間の絆の尊さを改めて認識するだろう。著者の綿密な取材と巧みな筆致が、読者を愛犬王の足跡を追体験させ、感動と学びを与えてくれる。
愛犬との生活をより豊かにしたい方、犬の深い世界を探求したい方、そして動物愛護に関心のある方。ヤマケイ文庫の「愛犬王」は、あなたに鮮やかな感動と貴重な示唆をもたらすだろう。ぜひ手に取って、日本を代表する犬奇人、平岩米吉の生涯に触れてほしい。
人間をお休みしてヤギになってみた結果 (新潮文庫)
エッセンシャル植物生理学 農学系のための基礎 (KS農学専門書)
魚 新訂版 (講談社の動く図鑑MOVE)
ヤマケイ文庫 働かないアリに意義がある
病気がみえる vol.3 糖尿病・代謝・内分泌
実験医学増刊 Vol.42 No.10 良い炎症・悪い炎症から捉え直すがんと免疫?慢性感染、肥満、老化などによる慢性炎症を制御し、がんの予防と新規治療をめざす
ウイルスはそこにいる (講談社現代新書 2742)
身体が「ノー」と言うとき
動画×書籍で学ぶ解剖学・生理学7日間で総復習できる本
人体 新版 (学研の図鑑LIVE(ライブ))
元気なカラダを手に入れる3つのミト育
医療現場の行動経済学: すれ違う医者と患者
まんが 黄帝内経―中国古代の養生奇書
ダーウィンの呪い (講談社現代新書)
感じてわかる! セラピストのための解剖生理 カラダの見かた、読みかた、触りかた
システム生物学入門 (KS生命科学専門書)
こんなとき私はどうしてきたか (シリーズ ケアをひらく)
実験医学 2024年6月 Vol.42 No.9 胚モデルから解き明かすヒト初期発生?多能性幹細胞と非ヒト霊長類を用いて“形づくりのブラックボックス”に挑む
人体の構造と機能[1] 解剖生理学 第11版 (系統看護学講座(専門基礎分野))
プロメテウス解剖学 コア アトラス 第4版

本の情報館
本の情報館社会政治