
コロナ下で吹き荒れる、女性の悲鳴
『女子大生風俗嬢 性とコロナ貧困の告白』が暴く、日本の闇
2020年、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界を襲った。その影響は社会のあらゆる分野に及んだが、特に深刻な被害を受けたのが女性だった。経済的困窮、DVの増加、そして性産業の過酷な状況。彼女たちは、見えない鎖で苦しめられているのだ。
『女子大生風俗嬢 性とコロナ貧困の告白』は、そんな女性たちの声を集めた衝撃のルポルタージュである。著者の藤田恵理氏は、風俗嬢として働きながら大学に通う女子大生に密着取材を行い、その実態を赤裸々に描き出している。
コロナ禍で激化した経済格差
パンデミックは、社会の経済格差をさらに拡大させた。サービス業やアルバイトを中心に、女性たちの収入源が激減したのだ。特に、コロナ禍で休校や時短勤務が相次いだ学生たちは、生活費を稼ぐのに必死だった。
そこで、多くの女子大生が風俗業界に流れていった。藤田氏の取材によると、コロナ禍の風俗業界では「女子大生」を売りにして客引きする店が増えたという。彼女たちは、自分の体を売り物にすることで、なんとか生活を維持していたのだ。
性の貧困を露呈する風俗嬢
風俗嬢として働く女性たちにとって、コロナはさらなる苦しみをもたらした。感染拡大により、店が休業に追い込まれたり、客足が激減したり。その結果、彼女たちの収入はさらに不安定になった。
また、コロナ対策として政府が支給した給付金や休業手当も、風俗嬢には届かなかった。多くがフリーランス扱いされており、社会保障のセーフティネットから取り残されていたのだ。
このルポルタージュは、風俗嬢たちの生の声を余すところなく伝えている。彼女たちの言葉からは、絶望、貧困、そして性が商品化されることの悲しみがひしひしと伝わってくる。
コロナ禍で深刻化したDV
コロナによる経済的困窮は、DV(ドメスティックバイオレンス)の増加にもつながった。外出自粛や在宅勤務が日常化したことで、女性たちは暴力を振るわれる相手から距離を置くことができなくなった。
さらに、経済的に困窮した男性が、女性に暴力を振るうケースも増えたという。妻や子どもが生活費を稼げないことに対する不満やストレスが、暴力へとつながったのだ。
藤田氏の取材によると、風俗嬢の多くがDVの被害者でもあった。暴力から逃れるために風俗業界で働き、経済的自立を目指していた女性も少なくない。
見過ごされてきた女性のSOS
『女子大生風俗嬢 性とコロナ貧困の告白』は、コロナ禍で深刻化する女性の貧困とDVの問題を浮き彫りにする衝撃的なルポルタージュだ。
この本を読むことで、私たちは「見えない鎖」に縛られている女性の苦しみに対峙することになる。そして、社会が女性に十分な支援を提供していないという現実を突きつけられるのだ。
この本は、女性の貧困とDVの問題に関心のある方、社会問題に関わる方、そしてすべての女性にぜひ読んでいただきたい一冊である。
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