
爆撃の下で絶望と悔恨にさいなまれた「実行犯」の告白
「日本大空襲『実行犯』の告白」 - 46万人の命を奪った悲劇の真実
1945年3月10日、東京を含む日本各地が米軍機による熾烈な空襲にさらされた。この「日本大空襲」では、46万人を超える民間人が命を落とし、日本の都市は瓦礫と化した。
新潮新書から刊行された『日本大空襲「実行犯」の告白』は、この悲劇的な空襲の「実行犯」としてB-29爆撃機に搭乗した元米兵の告白を収めた衝撃的なノンフィクションである。
「息子を失わないで」と懇願する母親
著者のジャーナリスト、大貫健一郎氏は、約70年前の空襲から生き延びた元米兵、ジョージ・ウィリアムズ氏に10年以上にわたり取材を重ねた。ウィリアムズ氏は爆撃機のナビゲーターとして東京や大阪などへの空襲に参加していた。
ウィリアムズ氏は取材の中で、空襲時の様子を克明に証言する。東京への空襲では、爆弾倉を積んだ爆撃機が市街地の上空に差し掛かると、下方から無数の高射砲の砲弾が炸裂したという。爆撃機はまるで「ジャイアントスクリーンの映画」のように次々と撃墜され、ウィリアムズ氏も「次の瞬間には自分も死ぬのではないか」と恐怖に襲われた。
さらに、ウィリアムズ氏は空襲の犠牲者となった日本の民間人の姿も目にしている。B-29爆撃機から燃え盛る街並みを見下ろしていた時、彼は瓦礫の下敷きになった母親が「息子を失わないで」と絶叫しているのを聞いた。この光景はウィリアムズ氏の心に深く刻み込まれ、生涯忘れられなかったという。
「われわれも犠牲者だった」
ウィリアムズ氏は、自分自身もまた「日本大空襲」の犠牲者であったと告白する。爆撃に参加するたびに、彼は自分がパイロットとしてではなく、単なる「殺人マシーン」の一部にすぎないと感じていた。そして、戦争が終わった後も、爆撃による無差別殺戮への罪悪感にさいなまれ続けたという。
ウィリアムズ氏の告白は、単なる過去の証言ではない。それは戦争の悲惨さと、その悲劇に巻き込まれた人間の苦悩をあぶり出す、時を超えたメッセージである。
平和への警鐘
『日本大空襲「実行犯」の告白』は、歴史的事実を淡々と描くのではなく、直接当事者に取材することで、戦争の残酷さを生々しく伝えている。著者は、この本が単なる過去の歴史ではなく、現在と未来にも通じる平和への警鐘となることを願っている。
ウクライナ侵攻など、世界各地で紛争が絶えない今、本書は改めて戦争の無意味さと平和の尊さを問いかけている。この衝撃的な告白をぜひご一読いただき、戦争の悲惨さを心に刻んでいただくとともに、平和の大切さを再認識していただきたい。
本の詳細:
* タイトル:日本大空襲「実行犯」の告白~なぜ46万人は殺されたのか
* 著者:大貫健一郎
* 出版社:新潮社
* 発売日:2023年3月15日
* 価格:990円(税込)
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