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涙の射殺魔・永山則夫事件ー六〇年代の少年犯罪



1968年10月1日、永山則夫(19)が大阪府寝屋川市で連続強盗殺人事件を起こした。わずか3週間での4件の犯行で4人が射殺され、世間を震撼させた。この事件は「涙の射殺魔事件」と呼ばれるようになり、日本の少年犯罪史に暗い1ページとして刻まれている。

本書「涙の射殺魔・永山則夫事件―六〇年代の少年犯罪」は、この衝撃的な事件の背景と永山の生い立ち、犯行に至る経緯、そしてその後の裁判や刑執行の様子までを丹念に追ったノンフィクションである。

激動の60年代

永山則夫事件は、学生運動や高度経済成長など激動の1960年代の終盤に起きた。当時は社会不安が高まり、少年犯罪も増加していた。本書では、永山則夫の生い立ちや家庭環境と、当時の社会的背景がどのようにして彼が道を踏み外すきっかけとなったのかを探っている。

永山は1949年、埼玉県新座市に生まれ、幼少期から父親の暴力や母親の放任に悩まされていた。高校を中退した後、暴力団に入り、窃盗や暴行事件を繰り返した。

連続強盗殺人事件

1968年9月10日、永山は仲間と共謀して大阪府寝屋川市の質屋を襲撃した。質屋の主人は射殺され、大金を奪った。その後、3週間の間に weitere 3件の強盗殺人事件を起こし、4人が犠牲となった。

永山は犯行時、わずか19歳だった。その凶暴さと冷酷さに世間は戦慄し、「涙の射殺魔」と名付けられた。

裁判と死刑執行

永山則夫は1971年に死刑判決を受け、1997年に刑が執行された。裁判では、永山の悪質性と再犯の可能性が高いため死刑が避けられないとされた。

本書では、裁判の様子や永山の獄中での様子、そして死刑執行に至るまでの過程が克明に描かれている。永山の最後のメッセージや遺族の思いなど、これまであまり知られてこなかった事実も明らかになっている。

少年犯罪の教訓

永山則夫事件は、少年犯罪の恐ろしさとその根底にある社会的要因の重要性を浮き彫りにしている。本書は、永山の生い立ちや犯行に至る経緯を丹念に追うことで、少年犯罪を防ぐための教訓を導き出している。

たとえば、本書では、永山が暴力的な家庭環境で育ったこと、早期に非行に走ったこと、そして社会の支援や指導が不足していたことが、彼が重大犯罪に手を染める一因となったことが指摘されている。

必読のノンフィクション

「涙の射殺魔・永山則夫事件―六〇年代の少年犯罪」は、日本の少年犯罪史を知る上で必読のノンフィクションである。永山事件の背景と経緯を克明に追うことで、少年犯罪の恐ろしさとその根底にある社会的要因を浮き彫りにしている。

本書は、罪と罰、更生と再犯、そして社会の責任について考えさせられる貴重な一冊である。衝撃的な事件の記録であるだけでなく、少年犯罪を防止するための教訓を導き出す、重要なノンフィクション作品となっている。
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